遺書手紙日記

覚書、或いはTLを汚さないための長文

それで結局きみは何がしたいのさ 或いは仕事が怖いという話

4月18日 晴 15時40分

とうとう言われてしまった。

いつかは声がかかるかなと思っていたが、とうとう言われてしまった。

 

今の業務時間が5時間で、しかし人が少なくてほぼ連日残業していて、多分近いうちに業務時間が増やされるんじゃないかなと思っていたけれど、とうとう言われてしまった。

7時間勤務いけるか、と。

午後からこんな日記を適当に書いているくらいなら、そりゃあ1時間でも2時間でも余計に働いた方がいいに決まっている。900円にも満たない時給だが休憩を挟んで2時間働けば1500円以上の実入りがある。世間様から見たら鼻で笑われるどころか冷笑を以て見られるであろう収入アップだが、自分の現状から考えるに、大幅アップではないが、確実に収入は増えることは事実だ。

でも、悩んでいる。

だって7時間勤務になったら今後ますます抜け出せなくなっちゃうじゃん。

今の5時間勤務だったらまだどうにかなるかもしれないけど、7時間だと急にはやめられないじゃん。いやそれは5時間勤務でも一緒だけど、もっと辞めづらくなっちゃうじゃん。

どうすんのさ。

どうすんの。

泣きそう。

ていうか泣いてる。

時間を増やすって言われても全然嬉しくないし、毎日エラーを吐き続けるマシンと向き合うのは嫌だし、同僚とはあんまり話が合わないし、上司にはおそらく軽蔑されてるし、ぼくはここで働き続けたくないんだろうということはおそらく確定的な事項だ。こんなところにずっといたくない。

でも、じゃあ、おまえはどこ行けるの?

やめるって、抜け出すって、どこへ行く気?

自慢じゃないが人間性能は下下下の下である自覚はある。他人とコミュニケーション取れないし、記憶力も良くないし、判断力もないし、口も回らないし、頻繁に他人の声が認識できなくなるし*1、もう、取り柄なんて全然思いつかないし、資格もなければ技術もないし経験もないし若さすらもない。頭の回る20歳に仕事を任せたほうがまだマシなレベルじゃあるまいか。

環境が変われば人間も変わるかもしれない? そうだね、そういう希望的観測もあるね。でも結局その場その場で頑張らずに逃げてきたからこんな人生なんだよ? わかってる? どうせ同じことを繰り返すだけかもしれないんだよ? またつらいこわいやるきでないって逃げ出すつもり?

自分をいじめるのもたいがいにしろよ、とぼくが言う。

全部事実だ本当のことを言って何が悪い、とぼくが言う。

どっちが悪魔でどっちが天使かわからない、とぼくが言う。

このまま仕事を続けて35歳40歳になってもパート従業員でいるか、一か八か真人間になる権利を追い求めてみるか、その瀬戸際なのかもしれない。30歳目前で訪れた転機がこんなみみっちい変化なんて、本当にド底辺の人間だなぁ。ゴミムシ具合にも程があるだろう。

 

精神科の病院に行ったとき、軽くその先生に相談してみたことがあった気がする。

今の仕事やめようかどうか悩んでるんですけど、どうすればいいですか。

うろ覚えだけどこんな流れの会話だったような気がする。

「なにかほかにやりたいことがあるの?」

「(ITとかそういう関係のことやりたいけどやれるかどうかわからないし)えーっと、その、なんでしょうね」

「うーん、新しい環境に馴染むのも大変だと思うし、無理に職を変えなくてもいいと思いますけどねえ」

……だったかな。あんまりよく覚えてないな。

でも今の仕事は嫌だしお金はもっと欲しいんだ。贅沢言うなって話だけど、もっと頑張れる仕事がしたいなって思うんだ。毎日悩んで考えて提案して相談してバリバリやれたらどんなにいいだろうって思うんだ。でもきっと人間性能が追いつかないんだ。

本当にやりたい仕事だったら自分の能力が足りなくてもどうにかなるんだろうか? 工夫して努力して我慢して行動して勉強して土下座してでもその仕事を続けられるんだろうか?

わからない。

そこまでしてやりたい仕事って、自分にあるのかな。

いっときは続くかも。ちょっとの間だけなら、熱に浮かされたみたいに熱中はできるかも。

でもそれが数年、十数年、数十年と続くとしたらどうだろう。

挫折するかも。

面倒臭くなって、もういいや、ずり落ちてもいいやってなっちゃうかも。

それが怖い。

自分の精神が全部投げ出すモードになるのが怖い。

できないならやらなくていいやっていう思考回路にスイッチが入っちゃうのが怖い。

ヒダル神かなんかが背後霊にでもいるのだろうか。

もしいるならさっさと殺して欲しい。

いややっぱり死ぬのは怖い、なぁ。

 

自分がまともに働いてる姿が想像できない。

自分の性能が世間様に通用するとは考えられない。

どんなにきちんとした研修を受けても、無理そうに思う。

弟を見ろ。こんな風に働けるか。たまに話してくれる勤務中のエピソードを同じようになぞれるか。こんな明るくて積極的な人格を発揮できるか。上司に気に入られ、同僚に気に入られ、取引先に気に入られ、ちょっとやそっと嫌なことがあっても「これについて悩まなくていい」と受け流し、膨大な取扱商品に関する記憶を瞬時に引き出せるか。

上司を見ろ。多岐に渡る商品を逐一穴なく店頭に並べられるか。パート社員から飛んでくる商品に関する質問を諳んじて答えられるか。明るく愚痴を吐きながら周囲の人間と良好な関係性を築きながら雑談できるか。それを毎日毎日朝6時から夜6時まで続けられるか。

他は……他は……?

他の仕事は見たことないから、知らない、わからない。

サラリーマンとかって、どんな仕事をしてるのかわからない。毎日会議したりしてるらしいけど、どんな会議してるんだろう。そもそも会議っていうものを見たことないからわからない。

事務員ってどんな仕事をしてるんだろう。なんかとにかく書いたり整理したりみたいなことばっかりしてるように思うけど、よくわからない。

ほんと……何をしてるのかわからない。ただ何もできないんだろうなと思うだけで。

 

興味だけで言えばね、いっぱいあるのよ。

ゲームショップの店員とかね。ほらやっぱりゲーム好きだからさ。やっぱり見てて楽しいって気持ちはあるしさ。そういう娯楽に関わりながら最新のトレンドとか見ていくのって楽しそうじゃん。でも接客業は長期休み取れないし、土日取れないのは今更気にしないけど、お盆と年末は4日くらい欲しいじゃん。コミケ行きたいだけなんだけどね。あとは好きって気持ちだけで仕事にできるほど甘くないんじゃないかなって思っちゃうわけよ。俺よりゲームが好きな人なんてゴマンといるしさ、据え置き機のヘビーユーザーとかも多いだろうしさ。ハロワに募集があったんだけどね。

あとはDTPオペレーターとかも楽しそうじゃん。発想と工夫の勝負じゃん。これはこうした方がいいんじゃないかなっていうアイディアが通った時とか、楽しそうだし、あとパソコンでできる仕事っていうのもいいよね。でもあれなんだよね、その発想と工夫が多分ぼくにはないだろうし、そもそもデザインの知識も経験もなければ使用ソフトもズブの素人でもうどうしようもないよね。

パソコン教室の仕事とかもどうかなー。唯一技能と言えるようなやつだし、きちんと勉強すれば知らない人に教えられるくらいにはなるんじゃないかな。どうかな。でも調べてみるとね、やっぱり単純に教えるだけの担当だったらバイトやパートの待遇しかないんだわ。当たり前だよね、ここまでは単純労働だもん。時間ごとの支払いで充分だもん。正社員ってなるとそれより上、つまり管理職ってこと。スキルアップとかしながら何個かの教室をまとめて面倒見なくちゃいけないってわけ。出来る気がしねーよ。

IT系の仕事もやってみたかったんだ。プログラマーとかの人ってなんか魔法使ってるみたいですごいかっこいいよね。ちょっと便利なツールとかもぱぱっと作っちゃって、超かっこいい。使いこなせたらすごく便利そう。これからはデータや情報を管理する時代になっていくから、幾つもの会社にそういう需要がこれからも起きていくと思うんだよね。まあ、高度に専門的なせいでこれからぼくが参入するのなんて到底不可能に近いんだけどね。しかもこれまた管理職にならないと正社員の肩書が貰えない仕事になっていくんだろうなぁと思うとね…そもそも言語とか開発環境とか日進月歩で変化していくものに怠け者で変化が苦手なぼくが追いつけるかどうかが怪しすぎるしね…。

まあでもなんていうか、あれだよね。一番やりたいことで、一番能力が追いつかないことって言ったら、多分あれだよね。

小説家になること。

ああ、泣きそう。

泣くわ。

創作の世界に生き続けられたら、きっと幸せだよねって思うけど、多分生き続けられないから、無理だと思うんだな。

頭も悪いし、記憶力もないし、集中力もないし、根気もないし、専門知識もないし、発想力も創造力もないし、なにより小説を書こうって熱意があったらこんな日記で管を巻いている暇なんてないはずなんだ。毎日寝る間も惜しんでインプットとアウトプットに時間を回さなきゃいけないのが本来の小説家だと思うんだ。小説を書いたり妄想を文字に起こしたりするのが三度の飯より楽しいような人間が小説家になるべきだと思うんだ。そして1時間で5000字書いたりしなきゃいけないんだ。ちなみにぼくはどう頑張っても1時間で2000字~2500字が限度です。勿論トップスピードなのでもっと下がります。どんどん下がります。けっ、つっかえねー。

できるできないを別にして何がやりたいかって言われたら、ぼくはやっぱり間違いなく小説家になりたいって言うね。あっでもゲーム作りたいかな。そのどっちかだね。そしてどっちもできないね。もうだめだね。小説家になろうとかで一旗揚げてみろよほらほら。できないだろうが。つっかえねーやつ。

小説家なんていうのは目指すもんじゃない。いつの間にかなってるものだ。言うなれば魂の在り方なんだよ。書いて書いて書き続けるのが大前提でその上で知識や技術や個性を差別化してやっべーいつの間にかなってたわみたいなものなんだよ。小説家になりたいなんて言ってる時点でお前に小説家になる資格も能力もないんだよ。学生だろうが社会人だろうがバイトだろうがパートだろうがニートだろうが、なろうと思えばどっからだって誰だってなれるんだよ。なりたいなんて言ってる人間はお門違いなんだよ。わかるかよ。そんなんだからなれなかったんだよ。

ゲーム作りたいだってそうだよ。やろうと思えば学生でも社会人でもバイトでもパートでもニートでも、今の時代ならPC1台目の前にあればゲームが作れるんだよ。それを作りたい作りたいって、作りたいなら作ればいいじゃんかよ。早くやればいいじゃないか。願望だけでやる気すらないのかよ。つっかえねーやつ。

 

……ああ、いかん熱くなってしまった。

最初の枕が「できるできないを別にして」なのにいきなり説教モードに入るヤバいやつと化してしまった。

でもまだ腹がグツグツしてる。

 

別の仕事に就きたい。

でも何ができるか分からない。

何をしたいかも分からない。

そんなんじゃあアドバイスする人も困っちゃうよね。

第三のルール「自分が求めているものをはっきりさせないと求めているものは手に入らない」

そこから導き出されるのは「自分の求めているものが曖昧だと、皆が混乱する」

更には「自分の求めているものをはっきりさせることが、結局みんなの幸せに繋がる」

読書感想文:『この世の中を動かす暗黙のルール』 - 遺書手紙日記

 これができてないんだよ、これが。

自分の求めているものって、いったいなんなんだろうって。

お金がほしい。

やりがいがほしい。

いきがいがほしい。

休みがほしい。

能力がほしい。

キャリアがほしい。

肩書がほしい。

人権がほしい。

幸せがほしい。

どれもこれもはっきりしないね。これじゃあどうしようもないね。ぼくだって困惑するよ、こんなもん。ぼくが一番困惑してるよ。どうすればいいんだよ。どうしたいんだよ。ほんとにさー。

そういえば小説家になろうのトレンド調べるために日刊上位のやつを読むなんていう課題も「何かやりタイム」に入ってた気がする。結局一度もやってないけど。

どうしたいんだよー。ぼくはどうしたいんだよー。どうしたら自分の求めているものが見つかるんだよー。

 

自分の求めているものって、なんだよ……。

5052文字

*1:感音性難聴やら言語性聴覚失認やらの可能性はあるけど詳細は不明。こんな曖昧な主訴じゃ検査のしようがないのではないか。